こんにちは、takaです!
この記事では
という悩みや疑問がある方向けに、約20年間カメラと苦楽を共にしてきた僕が、
『F値』についての基礎知識や、撮影場所に合った設定のコツをお伝えしていきます。
一眼カメラを買ったばかりの方は、一眼カメラの基本的な知識も記述していますので、参考になれば幸いです。
という方は、Contents (目次)のF値をマスターするための『基礎・決め方・注意点』をクリックしてジャンプするのがおすすめ!
”一眼カメラ”とは?初めに知っておくべき基礎知識
カメラを始めたばかりの頃、僕も思いました。
一眼カメラを買ったばかりの人は、カメラの性能やシチュエーションに合わせた撮り方を読む前に、
- 使用する際の注意点
- (注意点に対する)おすすめの対策方法
などに目を通しておくと、知らずに行った動作で高価なカメラをダメにしてしまうというリスクも避けられるので、さらっと程度でも頭に入れておくのがおすすめです。
それでも『基礎知識は必要無い』という方は、F値をマスターするための『基礎・決め方・注意点』まで読み飛ばして大丈夫です!
一眼カメラの種類と仕組み
まず、カメラの種類は大きく分けて、一眼カメラと二眼カメラに分類されます。
「一眼」「二眼」と呼ばれる通り、一眼カメラはレンズ(=眼)が1つのものを指します。
デジタルカメラもフィルムカメラも関係なく、レンズの数によって呼び方が変わります。
一眼カメラ
一般的に広く知られているデジタルカメラが一眼カメラです。
普段よく触る携帯電話や、コンパクトなデジタルカメラに比べてサイズが大きいのが特徴です。
カメラに慣れていない女性には
と感じることがあるかもしれません。
それでも、
- 手ブレや夜景に強い
- ズームしてもノイズが少ない
- レンズを交換できる
- 機動性に優れる
と言った特徴があるので、各レンズの性能に加え、高画質で鮮明な写真を撮ることができます。
二眼カメラ
もしかしたら、
という方もいるかもしれませんね。
戦後のカメラブームを牽引したのが二眼カメラで、今でも根強い人気があります。
特徴として、機動性の面で多少デメリットはありますが、
- レトロで味わい深い写真が撮れる
- ゆったりとした撮影を楽しむことができる
などのメリットがあります。
一眼カメラの構造は、下の画像のようになっています。
ミラーレスカメラ
デジタルカメラ(一眼や二眼)と呼ばれるカメラのボディには、必ずミラーやペンタプリズムが内蔵されていてます。
ですが、近年開発・普及が進んでいる”ミラーレスカメラ”は、その名の通り、ミラーを取り除いた(=レス)構造になっているのが特徴です。
見た目の可愛さや本体の軽さだけで無く、高い機能性が評価され、近年人気が上昇しています。
3つの注意点と対処法
皆さんもご存知の通り、カメラは精密機械です。
そのため、衝撃や湿気、粉塵に弱い傾向にあります。
そのことを踏まえ、扱い方の注意点を3つ挙げると、
- ボディやレンズに衝撃を与えない
- 湿気の多い場所に放置しない
- 撮影後はカメラのメンテナンスをする
ということを心がけるのが良いでしょう。
じゃぁ、具体的にどうすればいいの?
1.ボディやレンズに衝撃を与えない
【おすすめ対処法】
- カメラストラップをしっかり付ける
- シリコンカバーを着用する
- 実用性のあるカメラバックを見つける
ちなみに、僕が普段愛用しているカメラバックは【
Endurance (エンデュランス)】です。
2.湿気対策をしっかりする
【おすすめ対処法】
と、防湿庫に抵抗がある方は、ケースの中にシリカゲル(乾燥剤)を入れても有効ですよ。
簡易的な物でもかまわないので、カメラを少しでも湿気から守るように心がけましょう。
3.帰宅後はカメラ一式の手入れをする
【おすすめ対処法】
手入れをする時のおすすめアイテムは
スプレータイプのクリーナーと、使い捨ての布(ティッシュペーパー)の組み合わせ。
あとは レンズペンがあると細かい部分も掃除ができるので、楽ですよ。
F値をマスターするための『基礎・決め方・注意点』
さぁ、ここから本題に入ります!
という方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
F値(絞り値)の基礎知識
仕組み
まず”F値(絞り値)”の概念と仕組みについて解説をしていきます。
F値をひと言で言うと、
”光が通る穴の大きさを、数字で表したのも”
です。
具体的にはFocalといって焦点を意味し、『F+数字』で表現するのが基本です。
そして、F値の役割は『写真のボケと明るさに影響を与えること』です。
F値の数値によって絞り羽が変化する様子(←F1、F22→)
F値の数値が小さければ小さいほど、絞り羽の面積が小さく、光が通る穴が大きくなるので、とても良くボケます(上図:左)。
逆に、F値の数値が大きければ大きい程、絞り羽の面積も大きくなるので、光が通る穴が小さくなり、全体的にシャープな写真が撮れます(上図:右)。
F値が変わることでどう写真に影響を与えるのかを図にまとめてみました。
例えば、
という時、ぼやけている視界を良くしようと、目を細める(視野を狭める)仕草をよくしませんか?
カメラの仕組みも人の目と同様で、
絞りを絞ったり開いたりすることで、ボケなどの見え方をコントロールすることが出来るのです。
ただし!
ボケを作りたい=F値を小きくするというのは、構図の中に奥行きがあってこそ成り立つものなので、ご注意を⚠︎
明るさ
F値を変えることで、変化するのはボケだけではありません。
F値とは”光が通る穴の大きさを、数字で表したのも”なので、穴が大きければ、それだけ入っていくる光も多くなります。
例えば、同じシャッタースピードでF値だけを変えて撮影した場合、
写真の明るさに、ここまで変化が生じます。
操作方法
次に、F値は『Mモード・Avモード』で変更することができます。
メーカーによってAvモードは『A』と表記されている場合もあります。
モードの変更は簡単で、カメラの上部に取り付けられているダイヤルを回すだけです。
右の点に好きなモードを合わせよう
Mモードの場合、以下の画像の部分で撮影の設定を変えられます(Canonの場合)。
Avモードは『絞り優先オート』という意味で、
好きなF値(絞り)を選択すれば、カメラがオートで適性露出(SS)を決めてくれる仕組みになっています。
注意したいのは、Avモードでは、Mモードと操作ダイヤルが逆になる、ということです。
AvモードでF値を変更したい場合は、上のダイヤルで変更する場合が多いです。
その際、ISOを固定したり、逆にISOすらもオートにしたりと、カメラマンの好みに合わせて様々な設定パターンがあるので、モードの設定については、別の記事に詳しく書こうと思います。
F値の決め方
【F値の特徴まとめ】
- F値が小さいほど、よくボケる
- F値が大きいほど、シャープに撮れる
- 同じSSでも、F値の数値によって明るさが変化する
『ボケと明るさ』の特徴を踏まえた上で、次は決め方のコツをお伝えします。
F値はF1〜F32まで、幅広い数値がありますが、僕がよく使うF値は『1.4、1.8、8、22』の4つ。
という方は、
- F値を4つの中から選ぶ
- ISO100に設定
(明るい場所では基本100!メリットはISO編で解説します) - シャッタースピードを決める
- 撮影してみる
- (理想と違うなら)F値を変えてみる
という流れがおすすめです。
ボカしたいならF値は小さく、シャープに撮りたいならF値は大きく
初めは大体で大丈夫ですよ。
だんだん、理想通りの写真が撮れるようになるのも、一眼カメラの楽しみでもあります。
どんな撮影スポットでも、『どのような写真が撮りたいのか』をイメージすることが大切です。
F値によってボケと明るさがだいたい決まってしまうので、シャッタースピードを最後にして、微調整をしてあげる感覚で良いと思います。
ちなみに
写真の焦点が合っているように見える被写体までの距離(範囲) = 被写界深度
と言う言葉で表します。
被写界深度が浅い=ボケる、被写界深度が深い=はっきり
という言い方をするので、この際一緒に覚えてみましょう!
シチュエーション別おすすめF値【作例有】
F1.2〜F2.8:天の川
神奈川県:城ヶ島
F1.4、ISO500、SS 30秒
新月で、海が穏やかな、空気が澄み切った夜がおすすめ。
さらに詳しい撮影のポイントはこちらの記事で解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
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〜F1.8:ポートレート
千葉県
F1.6、ISO800、SS 1/64秒
ポトレの場合、作風によってF値の設定は大きく異なりますが、この撮影スポットでは『ロケーションを生かした完成度の高い写真』が撮りたかったので、
- ノイズを出さないためにISOは出来るだけ上げたくない
- 暗いからシャッタースピードを遅くして、明るさの調節をするべきだけど、手ブレの危険性がある
という2つの課題をクリアする必要がありました。
なのでISOは最低限の明るさで、手持ちでもブレないSSを探すのは、なかなか苦労しました。
撮影現場では『手探りで撮影→チェック→修正→撮影』の繰り返しです。
〜F8:全般的な風景写真
茨城県:神磯の鳥居
F8、ISO50、SS 20秒
僕は『特にボケを意識していない&絞っても(F値を大きくしても)手ブレの心配がない時』によく使います。
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F22:光芒
愛媛県:天一稲荷神社
F22、ISO200、SS 1/15秒
『光芒』と一括りにいっても、写真の中に光芒(中心部分)を入れるのか、入れないのかで、F値の設定は変わってきます。
僕は大抵、光芒(中心部分)を入れない場合はF8で撮影しています。
【光芒を撮る際の注意点】
- 明暗差が激しいので、白飛びしやすい
- 水蒸気がたくさん出ているので、レンズが濡れやすい
なので、こまめにヒストグラムを確認し、定期的にレンズを拭くことが大切です。
2つの注意点と対処法
ここでは、F値を変更する際の注意点と対処法を解説します。
F値はこの2つに気をつけよう!
- 絞りの最大開放による画質の低下(解像度が甘い)
- 極端な絞りすぎによる画質の劣化
1.絞りの最大開放による画質の低下(F1.2など)※高価格のレンズは除く
大抵のレンズは中心部分が最も性質が良く、中心から離れるに従って性質が悪くなります。
レンズには、
絞りを開放する=光が通る穴が大きくなる
という特徴があります。
絞りを最大開放すると、必然的に光が性質の悪い部分(レンズの端)を通過する割合が増えます。
なので、絞りの最大開放は画質を低下させてしまうのです。
【おすすめの対処法】
したがって、絞りを最大開放から1段~2段絞って撮影するのが良いでしょう。
そうすることで、
- 上質な中心部分のレンズを使えるようになる
- 口径食の影響を受けなくなる
と言うメリットが生まれ、画質の低下を防ぐことができます。
2.極端な絞りすぎによる画質の劣化
絞りを絞る(F値を大きくする)ことにより、カメラの手前から奥までをはっきりと撮影することができる様になります。
これをパンフォーカス撮影と言い、大体F8~F16が最適値とされています。
しかし、極端に絞り過ぎると、光の回折により画質の鮮明さが失われ、全体的にボヤけた写真になってしまいます。(F22など)
拡大すると、画質の違いが分かりますね。
【おすすめの対処法】
したがって、小絞りボケを起こさないレンズのF値(一般的にはF8~F16)で撮影をするのがオススメ。
自分の使っているレンズがどの範囲まで綺麗に撮れるのか、撮影を重ねて把握しておくようにしましょう。
ただ、そのまま観賞して楽しむ分には、遜色ない程度です。
終わりに
補足:冒頭の『オート』について
一眼カメラのモードの中に『P (プログラムオート)』があり、これは
何から設定すればいいのか分からない…。
でもシャッターチャンスは逃したくない!
という初心者の方におすすめのモードです。
確かにこのモードでも綺麗な写真は撮れますが、
- 状況に応じた適切な写真が撮りづらい
- 機械まかせな故に、撮影技術が上がらない
と言ったデメリットもあるので、
と、表現したいイメージが湧く様になったら、早い段階でモードを切り替えるのがおすすめです。
特に、Avモードがおすすめ!
Avモードで絞りのコントロールができる様になったら、その次はMモードへチャレンジしてみましょう。
F値の選択はケースバイケースで、ここまで読んでも難しい。と感じる方がいるかもしれません。
ですが、撮影現場の天気や状況を鑑みて、自分の撮影意図に合うF値を判断できるようになれば、撮影は今よりもっと楽しくなります!
ぜひ、自分のお気に入りのF値のパターンを見つけて撮影を楽しんでくださいね。
予告
次回は『ISOとSSをマスターしよう!(仮)』を投稿予定です。
この記事で、一眼カメラの扱いに悩んでいる方の疑問が少しでも解決できれば幸いです。
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