こんにちは、takaです!
『F値』についての記事も書いているので、良かったらこちらも参考にしてみてください。


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シャッタースピードをマスターするための『基礎・決め方・注意点』
シャッタースピード (SS)の基礎知識
仕組み
シャッタースピードとは、シャッターの開閉スピードをコントロールする機能のことを指します。
写真というものは、下の図のように光がカメラに入ってきて、その光がイメージセンサーに当たることで写真になります。





『その光をイメージセンサーにどのくらい当てるのか』を調節するのがシャッタースピードです。
星グルやタイムラプスなどの特別な撮影でない限りは、
通常最も早いシャッタースピードは1/8000、最も遅いシャッタースピードは30秒です(メーカーによって異なります)。
そしてカメラの操作をする際に、水色の枠のような数字が記載されます。


これは『○分の1秒』という読み方をします。



なので、写真の読み方は『10分の1秒』です。
そしてシャッタースピードの役割は
『写真の明るさや、動いている被写体の表現に影響を与えること』です。
明るさ


止まっている被写体を撮影するとき、シャッタースピードを変化させると、上の写真のように明るさが変わります。
シャッタースピードが早いということは、
- シャッターが開いている時間が短い
- イメージセンサーに光が当たる時間も短い
- 結果、写真は暗くなる
逆にシャッタースピードを遅くする場合、
- シャッターが開いている時間が長い
- イメージセンサーに光が当たる時間も長い
- 結果、写真は明るくなる
という特徴があります。
被写体の表現
動いている被写体を撮影する場合、シャッタースピードを変化させることで、
同じシチュエーションでも、全く違う写真が撮れます。


- 今この瞬間!を切り取りたいなら、シャッタースピードを短く
- 幻想的な雰囲気を表現したいなら、シャッタースピードは長く
ということを意識しながら設定するのがおすすめです。
自分が撮影現場で『どんな写真を撮りたいのか』『どこを注目してもらいたいのか』をイメージするのが大切。
初めはぼんやりでもいいので、自分の写真を表現する練習を繰り返していきましょう。



なのでいろいろ試して、たくさん遊ぶことが上達への近道です。
操作方法
シャッタースピードの変更は、2つの方法があります。
まず、代表的な『Tvモード(シャッタースピード優先モード)』。


これは、シャッタースピードを自分が決め、F値や適正露出などはカメラが自動で判断してくれるモードになります。
Canonの場合、Tvモードにした際、以下の場所で数値を変更することができます。


次に、『Mモード(マニュアルモード)』です。
Mモードの場合、Tvモードと同じ場所で変更できます。


シャッタースピードの決め方
【シャッタースピード特徴まとめ】
- シャッタースピードが短い:暗い写真、止まった写真
- シャッタースピードが長い:明るい写真、動きのある写真
『明るさと被写体の表現』の特徴を踏まえた上で、次は決め方のコツをお伝えします。
シャッタースピードは1/8000〜30秒と選択肢の幅が広いですよね。
まずは



これくらいかな〜
という感覚で良いので、設定してみましょう。



分かりやすいように、Tvモードで解説します。
ます、自分の撮りたい写真が
- 止まっている写真 or 流れている写真なのか想像する
- ダイヤルを回して設定・撮影してみる
- (理想と違うなら)シャッタースピードを変えてみる
- もしくはISOの数値を変えてみる
という流れがおすすめです。
撮影現場の明るさも、シャッタースピードを決める際の重要なポイントになってきます。
どんなプロカメラマンでも、撮影現場では『手探りで撮影→チェック→修正→撮影』の繰り返しです。
ぜひ、お気に入りのシャッタースピードを見つけて撮影を楽しんでください。
シチュエーション別!おすすめのシャッタースピード【作例有】
ここでは僕が実際に撮った写真を例に、シャッタースピードの違いをご紹介します。
SS 1/1250秒





勢いがある滝はSS早くして臨場感を出し、勢いがない滝はSSを遅くして幻想的に撮ることが多いです。
絶妙な水の流れを表現する以外にも、
- 日中、F値を開放して撮るポートレート
- 戦闘機・飛行機
- 電車
- 鳥
など、動きが早いものを撮影する場合、1/1000秒以上で撮ることが多いです。
SS 1/15秒





人が静止していられる秒数がだいたい、1/15秒くらいかな、と思っています。
『静と動』を1枚で表現できるのは、スローシャッターの面白いところですよね。
滝以外にも『人と電車』や『人と人』など、たくさんの組み合わせがあるので、たくさん撮影して、ぜひお気に入りの1枚を見つけてください。
SS 30秒〜





このような写真は大抵『星グル』や『星の光跡(軌跡)』という言葉で表現されます。
このような写真を撮りたい場合、最低でも30分〜1時間程度は連写を続けた方が綺麗な写真に仕上がります。
具体的な方法は、
”レリーズロックをして連写で撮影した後(好みの時間)、編集ソフトで『比較明合成』を行う”です。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。
2つの注意点と対処法
ここでは、シャッタースピードを変更する際の注意点と対処法を解説します。
シャッタースピードはこの2つに気をつけよう!
- 使うレンズとシャッタースピードの関係性
- カメラの弱点:明暗差
1.使うレンズとシャッタースピードの関係性
手持ちで撮影する場合、
- 望遠レンズ
- マクロレンズ
などのレンズは撮れる範囲が狭いため、僅かな手ブレの影響を受けやすい、という特徴があります。


【おすすめの対処法】
そのため、撮影範囲の狭いレンズを使用する際は、『手ブレを防ぐ=シャッタースピードを短くする』という工夫が大切になってきます。
逆に広角レンズの場合は手ブレの影響が少ないため、自分の好みに合わせたシャッタースピードで良いと思います。
2.カメラの弱点:明暗差
カメラは明暗差に弱いという特徴があります。
例えば、強い日差しが差している場合、明るさを調節しようとして設定を暗めに変更したとします。
その結果、どうしても影の部分が濃く残ってしまうので、違和感のある写真になってしまいます。


そして、ひと口に『黒』と言っても、実は黒の中にも赤みがかった黒や、紫がかった黒、たくさんの諧調があります。
ですが、そういった諧調が全て失われた状態を『黒つぶれ』と言います。
反対の『白とび』は、明るすぎて色の階調が全て白く飛んでしまう現象のことです。
では、どうやって白飛び・黒つぶれを判断するのか?
それはカメラや編集ソフトに搭載されている『ヒストグラム』で確認することができます。
撮影時


これは写真の明るさをグラフ化したものです。
もし、撮った写真が白飛び・黒つぶれを起こしていたら、以下の画像のようにグラフが変化します。




編集ソフト
撮った写真を編集する際、編集ソフトで黒つぶれ警告にチェックを入れると、下の写真のように青色の模様が浮かんできます。


これが黒つぶれの箇所です。


白とびよりも黒つぶれの方が色を復元しやすいのですが、無理やり明るくした写真にはノイズが発生し、とても見栄えが悪くなってしまいます。
【おすすめの対処法】
したがって明暗差が激しい場所では、こまめにヒストグラムを確認し、『F値・SS・ISO感度』の調整するように心がけましょう。



編集ソフトを使った方法は無いかな?
という方には、『比較明合成』がおすすめです。
理解が深まると、いろんな写真の表現が出来るようになるので、撮影がどんどん面白くなると思いますよ!
終わりに
まとめ
【シャッタースピードの特徴まとめ】
- 〈大切!〉撮影の前に、どんな写真が撮りたいのか想像する
- シャッタースピードが短い:暗い写真、止まった写真
- シャッタースピードが長い:明るい写真、動きのある写真
補足:冒頭の『露光時間』について
シャッタースピードとよく混同されがちな言葉に『露光時間』があります。
言葉の意味を説明をすると、
シャッタースピード=シャッターを開ける時間
露光時間=イメージセンサーに光を当てる時間
と、なります。
言葉の意味自体は違いますが、シャッターを開ける時間とイメージセンサーに光を当てる時間は同じなので、混同しやすいのかもしれませんね。
結局は同じ時間のことを指しているので、同じものと認識して大丈夫だと思います。



それでも混同しやすい場合は、図などのイメージと一緒に覚えるのがおすすめです。


シャッタースピードの理解が深まったら、フィルターを使って撮影してみるのがおすすめ!
写真の雰囲気がガラッと変わるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
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